私たちが吸った空気は全て体内に取り込まれるのでしょうか?答えは「いいえ」です。口から肺への通り道である気管にある空気など、ガス交換に関与しないものがあります。ガス交換に関与しない空気は、成人で約150mlあると言われています。つまり、一回息を吸っても150ml分に含まれる酸素は、体の各細胞まで届かないことになります。
実際に呼吸した量と、体内に取り込まれる量には150ml分の誤差が生じます。ここで深い呼吸のメリットが出てくるのです。
例えば、通常の呼吸で1分間に16回、500mlの空気を吸うとしましょう。500mlのうち150mlは体内に取り込まれないので、350mlのみ活用できることになります。1分間で換算すると、350ml×16回で5600mlとなります。
では、深い呼吸をした場合はどうでしょうか。1分間に8回、1000mlの空気を吸ったとします。1000mlのうち活用できる空気は850mlとなり、1分間で換算すると850ml×8回で6800mlとなります。
深い呼吸をした場合、1分間で1200mlも多くの空気を取り入れることができます。同じ時間でより多くの酸素を体内に取り込める、呼吸の効率が良いのは深い呼吸と言えるでしょう。
深い呼吸のメリットは呼吸の効率だけではなく、リラクゼーション効果や呼吸筋の機能向上にもつながります。
しっかりと呼吸をすることで、心が落ち着き、体は温まり、じっとりと汗が出てきてヨガをやる身体が整うでしょう。
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